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プログラミングが伸びる子は「先生」ではなく「AI相棒」と学ぶ。〜次世代の学習法「PBL」とは?〜


はじめに:お子様は「動画の通り」に作るだけで満足していませんか?


「うちの子、マイクラやRobloxのプログラミング動画を一生懸命見ているけれど、本当に実力がついているのかしら?」


そんな風に感じたことはありませんか? 画面を見ながらコードを書き写し、完成して喜ぶ姿は素晴らしいものです。しかし、そこには一つ大きな落とし穴があります。それは、「動画で解説されていないものは作れない(応用がきかない)」という状態に陥りやすいことです。


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ある程度のプログラミングの基礎(変数や条件分岐など)を理解したお子様に今必要なのは、受け身の動画学習ではなく、ChatGPTやGeminiのような「AI」を相棒にした、新しいスタイルの学習法です。


今回は、世界の教育現場で主流になりつつある「プロジェクトベース学習(PBL)」の視点から、なぜAIとの学習が効果的なのかを解説します。


1. 学校の勉強とは違う?「プロジェクトベース学習(PBL)」とは


日本の一般的な学校教育と、プログラミングなどのクリエイティブな学習には決定的な違いがあります。


  • 学校の勉強(講義型): 教科書の内容を覚え、テストで正解を出すことがゴール。

  • プログラミング(PBL型): 「作りたいもの」を決め、それを実現する方法を調べながら形にすることがゴール

特徴

学校教育(講義・暗記型)

プログラミング / PBL

ゴール

テストで正解すること

動くモノを作ること

プロセス

先生の話を聞く → 覚える

作りたいものを決める → 調べて作る

正解

常に1つの正解がある

正解は無限にある(動けば正義)

失敗(エラー)

「減点」される悪いこと

「改善のヒント」であり、日常茶飯事

評価

個人の記憶力が評価される

リサーチ力や解決力が評価される

プログラミングやゲーム制作は、図工や部活動に近いものです。「ドリブルの仕方を本で完璧に暗記してからボールに触る」子はいませんよね? まずボールを蹴ってみて、うまくいかない時にコーチに聞くはずです。

この「作りながら学ぶ」スタイルこそが、最も成長スピードが速い学習法(PBL)なのです。


2. なぜ「動画学習」だけでは限界があるのか


動画教材は素晴らしい入り口ですが、PBLの実践には弱点があります。

  • 「やりたいこと」とズレる: お子様が「空飛ぶ剣を作りたい!」と思っても、動画が「普通の剣の作り方」なら、そこで止まってしまいます。

  • エラーで挫折する: 1文字間違えただけで動かなくなるのがプログラミング。動画は「あなたの書き間違い」を指摘してくれません。ここでお子様のやる気が折れてしまうことが非常に多いのです。


3. AIを「相棒」にすると、学びはどう変わる?


そこで提案したいのが、生成AI(Geminiなど)を「専属の家庭教師」や「開発の相棒」として使う方法です。


メリット①:「やりたいこと」がすぐ形になる


「マイクラで、歩いた場所が全部氷になる魔法を作りたい!」 そうAIに伝えれば、AIはそのためのヒントやコードを教えてくれます。動画を探し回る時間を、「創造する時間」に変えることができます。


メリット②:挫折ポイント「エラー」を即解決


動かない時、赤い文字のエラーが出た時。その画面をコピーしてAIに見せるだけで、「ここにスペルミスがあるよ」「全角スペースが入っているよ」と優しく教えてくれます。 「つまづいても、すぐ解決できる」という安心感が、お子様の挑戦を後押しします。


メリット③:現代必須のスキル「質問力」が育つ


AIから正しい答えを引き出すには、自分のやりたいことを論理的に言葉にする必要があります。 「どんな動きにしたい?」「条件は?」と考えるプロセスそのものが、プログラミング的思考(論理的思考力)と、将来どんな仕事でも役立つ「AIを使いこなす力(プロンプトエンジニアリング)」を育てます。


4. 実際の学習風景のイメージ


【これまでの動画学習】

  1. 「マイクラ 剣 作り方」で動画検索。

  2. 動画を止めながら、ひたすら同じコードを写す。

  3. エラーが出ても直し方がわからず、諦めて別の動画を見る。

【AIとの共創学習】

  1. 子供:「ねぇGemini、敵を攻撃したら雷が落ちる剣を作りたいんだけど、どう書けばいい?」

  2. AI:「いいアイデアですね!それなら、このイベント機能を使って、こう書くと実現できますよ」

  3. 子供:(コードを書く)「あ、動かない!」

  4. AI:「3行目の最後に end が抜けていますよ。ここを直してみましょう」

  5. 子供:「できた!すごい!」


最後に:保護者の皆様へ


「AIに答えを聞くなんて、カンニングじゃないの?」と思われるかもしれません。 しかし、プログラミング学習はゴールが違います。プログラマーやエンジニアの仕事も日々、AIや検索を駆使してアプリやゲームを開発しています。暗記することよりも、「使えるツールを駆使して、自分のアイデアを形にする力」の方が、これからの社会では遥かに重要です。


もしお子様が「次はこれを作りたいけど、やり方がわからない」と悩んでいたら、「Geminiと一緒に考えてみたら?」と声をかけてみてください。 きっと、今まで以上に目を輝かせて、自分だけの作品作り没頭し始めるはずです。


用語解説

  • PBL (Project Based Learning): 課題解決型学習。受動的な暗記ではなく、自ら課題を見つけ解決する過程で学ぶ手法。

  • Gemini (ジェミニ): Googleが提供する生成AI。人間のように対話ができ、プログラミングのコード生成や解説が得意。

  • Roblox / UEFN: 世界中で人気のあるゲーム制作プラットフォーム。本格的なプログラミング言語を使って自分だけのゲームを作れる


※ご利用に関する注意点 Gemini(GoogleのAI)の利用規約上、13歳未満のお子様が単独でアカウントを持つことはできません。本学習法は、必ず保護者の方の管理するアカウントを使用し、親子で一緒に画面を見ながら対話することを前提としています。 これは「AI任せ」にするのではなく、会話しながら開発を進める「ペア・プログラミング」という、エンジニアも実践する効果的な学習手法です。当教室では、プログラミングの基礎を学び終えた生徒に対して、保護者様に「利用同意書」をご記入いただいたうえで、注意点や利用ルールを説明した後、教師の管理下で利用しております。

 
 
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